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一冊の本、2016年3月号

年末に調べたり、人に教えを乞うたりしていたことで、小さな原稿を書くことができた。「何かを」と言って下さったMさんには感謝の気持ちを強く持つ。
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70年前に本格化したフランスによるサイゴンでの戦犯裁判は、古山高麗雄が法廷に立たされたこともあって、だいぶ前から関心だけはあった。

国立公文書館の文書には、古山の法廷での発言も詳しくわかるし、日本軍がフランスの将兵を殺害した数が300人とも500人ともいわれる「ランソン事件」のこと、そして2人の日本人弁護人のことも、わかることが多い。

弁護人の一人は、中村武。南洋庁高等法院長という官職にあったが、軍と対立した末に辞して弁護士開業した人物である。

もう一人の弁護人、杉松富士雄は謎の多い人で、複数の著書があるにもかかわらず生年はわからない。「市井無冠の大王」と自称していたらしく、風変わりな人であったことは、周囲の人が残した証言で、何となくわかる。

二人が、残酷な拷問の末、次々と日本人戦犯が極刑にされるサイゴンの法廷でどんな弁護活動をしたのか、わかったところを、書いてみた。

書いてみて、わからないこともたくさん出てくる。
もう少し、調べてみたいと思っている。

幸いにも、サイゴンではないが、シンガポールで杉松弁護士の弁護を受けた方がお元気で、ご記憶を伺うことも、この前できた。
by tamaikoakihiro | 2016-02-29 04:58 | 戦犯裁判 | Comments(0)

大東亜戦争と南方物語


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