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禅で云う

「禅で云う見性ほど、命を懸けての一大事なのだ」(「長編小説 芥川龍之介」小島政二郎)。小島政二郎は初めて読む作家。この言葉の前に、こうある。

「モノになるならぬは、自信を持つか持たぬかだ。持つか持たないかだと云うが、これが実に大きいのだ。幾ら持とうと思っても、持てないのだ。持てる時が来なければ、どうにもならない一生の大事なのだ」

これは中野重治のことを、芥川が室生犀星(おお、金沢)宛の手紙で賞賛したことに触れての一文。

人から間接的に褒められると自信になる、というのは、よくあるマネジメント本でありそうな話だけれども、小島もそんな主旨のことを言っている。

で、なぜ小島の本を読もうと思ったのか、忘れてしまっている。まあ「見性」という言葉を辞書で調べる機会を得られただけでもありがたいと思う。

仏教用語なのだな。

〘仏〙 修行によって表面的な心のあり方を克服し,自分に本来備わっている仏の真理を見きわめること。「―悟道」

と『大辞林』にはあった。なるほど、よくわからないけれども、そういうことなのだろう。
by tamaikoakihiro | 2013-12-31 05:39 | 作家 | Comments(0)

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