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ある言葉

『文壇さきがけ物語』(大村彦次郎・ちくま文庫)を読んだ。面白かった。淡々とした記述が積み重ねられていく(「挿話的手法」と言うらしい)中で、人模様が見えて興味深かった。

そのなかで紹介されていた、正宗白鳥の言葉。

「人間の記憶なんか案外に薄弱なもので、過去の歴史を現実に伝えるということは容易ではない。だからといって、だれか書いておいてくれなくては困る。ぼくの『作家論』でも『自然主義文学盛衰史』でも、書いておいた方が後世に役立つだろうと思ってのことである。だが、自分のことを書かなければ何も書けないのだよ」

最後の一文が、わかるような、わからないような。

誰か他人のことを書くにしても、自分のことを書かないといけないということだろうか?(直接言及しないにせよ?)

何度か読み返して、やっぱり、わかるような、わからないような言葉だったけれども、強く印象に残った。
by tamaikoakihiro | 2013-09-26 04:20 | 雑感 | Comments(0)

大東亜戦争と南方物語


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