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淡々と

『私の昭和史』(末松太平・中公文庫)を読んだ。二・二六事件関係者の書いた本、ということで手に取った。派手なところのない文章が大きな魅力だと思った。

私が敬愛する古山高麗雄は「キンキラキンの文章」を書くことに否定的だったけれども、『私の昭和史』では、淡々とした記述だから出せる悲哀の起伏というものを感じた。

三島由紀夫が同書を絶賛したとのことだが、三島のような人が認める質は、実に確かなものなのではと思う。

二・二六事件というと、私は文章として檄文調のものを常々想起してきたのだけれども、印象が大きく変わった。

上下で2000円に満たないのだから安いものだなあ。
by tamaikoakihiro | 2013-05-06 05:47 | 雑感 | Comments(0)

大東亜戦争と南方物語


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