大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

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「不公平というのは甘受するしかない」――戦犯にさせられて、
仏領インドシナに留め置かれた古山高麗雄の言葉には、
実感に支えられた諦観と優しさがあって、いいな、と思う。

この言葉は、対談「戦争は悲惨なだけじゃない」で語られている。

「不公平、不平等の中で人間が何を考えるか、どう生きるかを追求するのが私には面白い」

そうなのだなあ、不公平や不平等をこぼしたり、糾弾したって、
それは当たり前の「正義」だし、面白くはない。

正義を絶叫すればするほど、見えなくなるものが、たぶんたくさんあるのだと思う。

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(古山が最初、収監されていたチーホア監獄。獄中から鉄道が
見えたと書いてあった。サイゴン中央駅を出た汽車が、
いまのサイゴン駅のあたりからカーブして行くのが見えた
のだろう、と想像する)

古山の言葉を読み返すと、いつも、「マウンドにけちつけたって
しゃーない」という野球をやっていた頃の、自分なりの言葉も考える。

ま、自分以外の人間に、文句つけたって、あんまり面白くはないのだなあ。
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(同じく古山が入っていたサイゴン中央刑務所跡地に建っていた建物。
今はどうなっているのかな)
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by tamaikoakihiro | 2015-04-12 01:15 | 作家 | Comments(0)
たいへん印象的な表紙、のなかに、「戦争小説家 古山高麗雄伝」。
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いろいろな偶然があって、こういう機会を得ることができた。

運の良いことだったなと思うしか、ない。

古山高麗雄は、約10年前、戦争に材を取って何か、
と思い始めたとき、知人のNさんから教えて貰った作家だった。

すでに亡くなっていた。

だから直接の面識は得ようもなかった。

あとで知ったのだが、亡くなった父も、どういうわけか、
「戦争三部作」を書棚に揃えていた。あれも一つの偶然なのだったと思う。

大きな偶然の一つは、南洋学院というサイゴンにあった
外地校に学んだ人たちに取材していた折、新潮社で
古山と仕事をともにしたことのある方と会ったことだった。

その方は、非常に厳しい目をした方だった。
質問を、たぶんおずおずと私はしたはずで、
しかし、印象的に古山のことを、いくらか話して下さった。

確か国立の白十字という喫茶店で、夏の暑い日にお目にかかった。
もう10年か。
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by tamaikoakihiro | 2015-04-06 23:51 | 作家 | Comments(0)