大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

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核爆弾と家人の病

作家で故人の古山高麗雄がいつか私小説で、核兵器廃絶運動に努める作家の人々との距離感について、東京に核爆弾が落ちてみんな死ぬならそれでいい、といった風に書いていた。

そして核兵器よりも自分の妻の病が再発することの方がよほど怖い、と書いていた。

核戦争はやってこないかも知れないが、病気はいつかやってくるから、と。

今日、咳をするたびに肋骨のあたりに疼痛を覚えるので再度病院へ。

先日は片肺だった炎症が両肺に。スキャナーというのはよくわかるらしい。

同じように咳をしていた家人も検査を受け、ただの風邪と診断される。

古山の表現を借りるなら、昨今のエコとか生物多様性なんかより家人の健康の方がもっと大切だと思った。

そういうわけで医師には「これ以上悪化させると入院ですよ」と脅され、自宅での安静・療養を指示された。
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by tamaikoakihiro | 2010-11-15 14:26 | 雑感 | Comments(0)

結城昌治と吉村昭

肺炎のせいで右胸に差し込みのような痛みがある。座っているだけで少々疲労する。肺炎ではないが、結核を患った作家として結城昌治、吉村昭を思い浮かべる。

活躍したフィールドは異なるものの、ある時期、大東亜戦争に深く関わって書いていた点は共通すると思う。

彼らが病床の苦労を克服して書き続けたことに、何らかの刺激を得なければいけない、と思う。

そうだ、「思うだけ」という短編で、古山高麗雄は「思うだけで何もしない自分」をさわやかに自嘲していたのだった。それでも古山は、晩年に雲南・ビルマ三部作を完成させている。

作家の執念とはそういうものなのだろう。
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by tamaikoakihiro | 2010-11-14 19:30 | 雑感 | Comments(0)

『墓地で』

咳が一月以上続いて辛く、会社の仕事で取材に出かけても、取材相手の前でずっと咳き込んだりしていた。今日病院で見てもらったら「肺炎ですねえ」と。

診察の医師は「仕事をセーブしなさい」と仰るが、人ほど働いているとの自覚はなく、少々困惑した。「ほっとくと入院、死ぬこともあるんですよ」とも脅された。

まさか死ぬことはあるまいと思って日常を生きているのがたいていの人間と思う。

そして帰宅後、古山高麗雄の『墓地で』を読み直す。敗戦後、仏印のサイゴン郊外でベトミン(ベトナム独立同盟)の勢力に襲われたときのことを中心にした短編。

雲南戦線で人がばたばた死ぬ有様などを淡々と回想しつつ、サイゴン目指して戦友との珍道中(?)を描いている。彼のデビュー作である。

医師に死ぬこともと脅されてから帰宅して読むのには、好適だった。
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by tamaikoakihiro | 2010-11-11 13:49 | 雑感 | Comments(0)

人づて

ある方を介して、半年前に発表した拙稿を、わたし自身も読者である、ある著者の方が評価してくれていたことを知った。

もちろんそのほどはもちろんわからない。何かの折にちらと仰ったくらいかもしれない。けれども、非常に嬉しく感じる。

そして何より今書いているものを見てくださる方に何とかよいものを見てもらえるようにと思う。

こういう機会は得ようと思っても、なかなか得られない。

閑話休題。

「先占」という考え方があって、これはある地域を先に「我が国のものですよ」と宣することで、固有のものとできるという話であると、最近になって知った。

国際的な常識というか、スタンダードなのだという。

私が関心のある大東亜戦争の頃のアジアというのは、そんな話は無論、通用しないところだった。

何しろその土地に長くいた人々が植民地支配のくびきにつながれていたのである。

あとから来た人々こそ、偉いのであった。

考えてみれば恐ろしい話であるが、それがあの当時、別段珍しくもなかった。だから世界中に植民地があったのだ。アジアはその一つだった。

そういう現状に、悲憤の思いを持った一人がアジア主義者・大川周明であり、その最後の弟子である、東亜経済調査局附属研究所(大川塾)の研究生たちである。彼らは師の思いを体現すべく、南方にあった。志半ばで死んだ者も少なくない。
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by tamaikoakihiro | 2010-11-09 08:13 | 雑感 | Comments(0)

羨望

週末、新卒で入った会社の後輩二人が来宅してくれた。といっても私の退職後のことなので、後輩などという尊大な言葉でくくっては失礼にあたる。

一人は論壇誌などを出す老舗に移籍して、文庫を編集しているそう。半藤一利氏とも面識があるらしく、羨望する。もう一人は私が辞めた会社にとどまって、SFを中心に仕事をしている模様。毎日のように新しい誰かに会っているそうで、これまた羨望する。

羨望するばかりでは能がないので、自分の原稿をいかによくするかを考えることにした――というと威勢がいいが、結局子供を寝付かせられず、敗北してしまった……

自分自身に失望。
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by tamaikoakihiro | 2010-11-08 08:22 | 雑感 | Comments(0)
『スターリンの対日情報工作』(三宅正樹・平凡社新書)を週末に読んだ。謎の日本人スパイの正体に肉薄していて後半部、特に引き込まれた。

翻って自分で書いている原稿は遅々として進まない。肉薄するものがあるかどうか、よくよく考えながら書き進めたいと、前掲書を読んで思った。
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by tamaikoakihiro | 2010-11-08 08:03 | 雑感 | Comments(0)

10年かかった

昨日、昭和史に造詣の深い方、お二人のお目にかかった。自分の知らないことを知っている人に、心地よく話をうかがえるのは、本当に幸せなことだと思う。

新卒で書籍の編集者になった頃、そしてその会社を辞めるまで、私は誰とも自分の興味について、共有してもらおうと努力をしなかった。怠惰であった。探せば、いや求めれば誰か、いたはずなのである。それを怠ったのは情けないと思う。

ともあれ10年かかって、少しだけ前に進めたように思う。しっかり書かなければと思う。
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by tamaikoakihiro | 2010-11-05 13:36 | 雑感 | Comments(0)