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その日その日が生涯

「僕にとってはその日その日が生涯なのだ」

これはラバウルで行われたBC級戦犯裁判で刑死したある陸軍中尉の言葉である。

『ラバウル戦犯弁護人』(光人社NF文庫・松浦義教)を読んでいて見つけた。
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著者は二・二六事件に連座した疑いで代々木の陸軍刑務所(東京陸軍刑務所)に入っていたことがあるという。

敗戦後、ラバウルで戦犯弁護にあたったのである。文藻豊かな人だなと、ところどころの表現に接して思う。

死を確実なものとして意識した人たちの言葉は、老成していて、これが20代、30代そこそこの人たちのそれとは思えないものがある。

これはBC級サイゴン裁判でもそうだし、どこでも同じである。

若い人たちだけに、しかし、悲痛である。幼い子どもがいる人のものなども、なかなかに辛い。

BC級戦犯裁判は、このように覚醒した人々を生み、そしてその人々の多くを殺したわけである。




by tamaikoakihiro | 2017-09-29 00:37 | 戦犯裁判 | Comments(0)

大東亜戦争と南方物語


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