大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

落ちこぼれる

飯尾憲士の短編「魂たちへ」を読んだ。特攻にまつわる作品である。

印象的な一節があった。「落ちこぼれるのは、大変むずかしいことです。それに又、溢れ出るもののない人間は、落ちこぼれることなどできません」

飯尾憲士自身、敗戦後に入学した熊本の第五高等学校では落ちこぼれて、ぎりぎりの成績で卒業した旨、別の作品で書いていた。小説だったかもしれないから、こしらえているところがあるのかもしれない。
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でもだいたい事実だろうと思う。

第三高等学校を中退した古山高麗雄もまた、飯尾が書いたような、溢れ出るものがあったのだろうかと思う。

二人に共通するのは、朝鮮半島である。古山は朝鮮新義州の生まれ。飯尾の父は朝鮮半島から日本内地に来たという。飯尾は自らを「混血児」とどこかに書いていた。

むずかしいことを、まったくできなかった自分のことを、思う。

できなかったことをしてきた人には、やはり憧れる。
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by tamaikoakihiro | 2016-10-28 00:08 | 作家 | Comments(0)