大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

『逃亡「油山事件」戦犯告白録』(小林弘忠・中公文庫)

『逃亡「油山事件」戦犯告白録』(小林弘忠・中公文庫)を読んだ。川にまつわる語りで始まり川の描写で終わっていた。

戦犯がテーマだけれども、導入と終わりの書き方に感銘を受けた。書き方がうまいというか、なるほどと思わされるというか、巻を措く能わざる(この言い方でいいのだっけ?)感じだった。

70年前、戦犯としての訴追をおそれて逃亡生活を送る日本人がいたのだ。そういう人たちを、捕らえようと必死になったのも日本人なのである。

「万歳」の声で出征の場を飾り、戦犯になれば、彼らを貶めて追い詰める人たちが、いたというわけだ。

たかだか70年前のことを、しかしもうほとんどの人が知らないのである。江戸時代のことは時代劇でさんざんやるが、戦争のことは、あんまり取り上げないのである。夏の風物詩として消費するくらいなのである。

神保町の古書店で、ふと振り返って見た文庫の棚にあった本である。運のよいことだった。
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by tamaikoakihiro | 2016-08-23 18:49 | 戦犯裁判 | Comments(0)