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明号作戦のこと

今年も3月9日が過ぎた。日本軍がフランス植民地軍をインドシナで打倒した明号作戦の日。

70年が経過したというわけか、と思いながら、しかし日常のことに時間を費やして、大して考えもしなかったのだけれども。

当日、作戦に参加した人の話は、何人くらい聞いたのだろう。10人くらいだろうか。ある人は、敵軍の兵営の近くに潜んでいたと伺った気がする。

ある人は、安南人の保安隊員に「手を挙げろ」と言ったらあっさり降参されてしまった話をしてくれた。鹿児島の部隊の人だった。中国からひたすら歩いて南下してきた精強師団なのであった。部隊の通称号「冬」。冬兵団というらしいが、仏印にいたときは「光兵団」とも呼ばれていたらしい。

いろいろな3月9日を聞いた。聞けただけ何とありがたいことなのだろう、と思う。

そうだ、あの作家も、プノンペンで明号作戦に参加している。シアヌークを捕らえる任務を負っていたそうだ。面識はもちろんないから、書かれたもので、知った。

毎年、20歳を少し出たくらいの若者が、夜、息を潜めて命令を待っている姿を想像している。

10年前、ベトナムをふらふらしていた頃、確か3月9日は、北部のニンビンで迎えた。60年前のことを思い、想像した。

「他人を想像すること」を教えてくれたのは、あの作家だった。何と、あの言葉を知ったのは、まあ、得がたい経験なのだなあ。
by tamaikoakihiro | 2015-03-11 23:30 | 作家 | Comments(0)

大東亜戦争と南方物語


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