大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

友人からの電話

正月に、久し振りに友人のSくんから電話があった。

Sくんは万事に辛辣というか、敏感な関西人である。
予備校時代に鉛筆を忘れたとかで話しかけられて以来、
友人づきあいをさせてもらっている。

近況を報告しあううちに正月に見たテレビ番組の話になった。
(こちらはもっぱら聞く側であったが)。

「日本の芸能人が、マレーシアかどこかで日本製品を物々交換して
旅行するような企画があったね」とSくん。

私はテレビに興味が薄いので、「そうなの」と答えた。

「どう思うよ、そういうの。日本人のある種の思考様式が
よく出ていると思ったんだけれどね」

Sくんは関西人だが、東京が長く、微妙な東京弁(?)を話す。
だからここでも関西弁では書かない。

「思考様式って?」と私。

「日本のつくっているものは誰にでも受け入れられるよいもの、
であるとか、だから受け入れられて当然とか、なんつーのか、
そういう考え方がよ、独善的じゃねえ?」

「なるほどね」と私。

「いや、テレビの企画だから芸能人がモノを出せば、マレーシアの人は
『いいよ』と言ってくれるわけだ」とSくん。

さらに言う。「ディレクターとかが、現地の日本人コーディネーターに指示を出して、
相手の人に了解を事前に取り付けているんだろうし」

Sくんはほんの数十秒見ただけで、チャンネルを変えたそうである。

「でもな、もし日本に来たアメリカ人とかイギリス人とか、日本にとって
戦勝国の国籍の人間が、同じことをやる番組をつくっていたら、
どう受け止めるんだよ、日本のマスコミ関係者は」と続けるSくん。

「彼らは傲慢だとか、日本も舐められたもんだとか、少しは憤るんじゃねえ?
その逆をやっているんじゃないかと、思ったんだけれど、どう思うよ?」

Sくんは割合、愛国的なのかもしれない。そしてこうも言った。

「要するに、優越意識があるから、『アジアで日本製品を使って物々交換』
なんて発想ができるんじゃないか、と言えるんじぇねえの?」

辛辣だが、最後は強く断言しないのがSくんである。結論らしきものを、投げかけてくるのである。

そのあと、話はまた別の方向に向かった。だから結局、彼の真意はわからない。

しかしSくんの提示する話題は毎回、面白い、というか興味深い、というか。

日本のアジア関与というと堅苦しいけれども、かつての南方、
現在の東南アジアと日本の関係には、私もいつも関心がある。

いま、アジアは一つの市場であり、日本ならびに日本企業はそこでチャンス
を開拓すべきだという論調に、世間は異を唱えない感じだろうなあ。
今年はアセアンの経済統合があるんだったか。

テレビは一般に多くの人の心に沿うものだという考えに間違いがない
とすれば、テレビ番組がアジアを取り上げるとき、
それが日本人の多くの人のアジアに対する心情を映しているのだろうか。

もしSくんの言う優越意識が日本人にあるとしたら、
それは他国の人にどう受け止められているのだろうか、
と少し、気になった。
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by tamaikoakihiro | 2015-01-04 16:38 | 雑感 | Comments(0)