大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

新年、太宰治、何を望んだって

『懐かしき文士たち 戦後篇』(巌谷大四・文春文庫)を読み直した。

雑誌「人間」が昭和22年1月号で「昭和二十二年に望むこと」という
アンケートを掲載したそうだ。
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答えるのは作家である。

石川達三の答え。
「昭和二十二年に望むことは、愛国心を喚起すべきことです――以下略」

なるほど、敗戦で戦時中の愛国一辺倒の反動があった時期らしいのだろう、と想像する。

河盛好蔵の答え。
「一日も早く戦争裁判が終結し、媾和会議が開かれ、賠償額が決定し、
海外との交通が開かれることを切望します――以下略」

対日講和条約が結ばれるのは昭和26年だから、まだまだ時間が必要
だったのだ。

そして太宰治の答え。

「何を望んだって、何も出来やしねえ」

この太宰の答えだけを、どこかで読んで知っていた。

なるほど、「一年の計は」式の話ばかりがある新年に、うんざりしてもおかしくない。

あるいは新日本とか、変わることばかりを強調された時代であろうから、
それもまたうんざりしたのかもしれないなあ。
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by tamaikoakihiro | 2015-01-03 07:10 | 作家 | Comments(0)