大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

友の手を切り落として

痛切な別れはいろいろあるのだろうが、大川塾生の談話をある本で読み、想像できない痛みの存在を知った。

『資料集 インド国民軍関係者聞き書き』の中にあった、ある卒業生の話である。その方は、英軍の空襲で亡くなった後輩の手首を切り落とす場に、立ち会ったのだった。

切り落とすのは、焼いて遺骨として持ち帰るためである。

読むと、下士官が切ろうとしたとき、思わず後輩の手をつかんでしまったという。数回で切り落とせたというが、その間の感情をうまく表現できないと回顧している。

この方は私が取材を始めたとき、確かすでに物故されていて、お話をうかがうことはなかった。

しかしその後輩と同期生の方には会った。同期生が亡くなったのに、自分は帰ることができたという事実に、痛みを感じていたそうである。
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by tamaikoakihiro | 2011-04-19 14:31 | 東亜経済調査局附属研究所 | Comments(0)