大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

「会えない人の話」

「会えない人の話」という短編が、古山高麗雄の本にあったと記憶している。最晩年の作品なので、亡き友を偲ぶものだった気がする。

しかし人間が晩年だろうと何だろうと、会えない人の話はいくらでもあるわけで、私自身、何かを私に語ってくれた方のことを思うと、月並みだけれども、人生とは何とはかないことだろうと思う。

「ジョータイレン!」

これはベトナム語で「手を挙げろ!」という意味だ。

この言葉を教えてくれたのは、鹿児島在住の方だった。戦争中、中国から歩き通して仏領インドシナに至り、仏印武力処理に参加されたのだった。

所属部隊の通称号は「光兵団」、九州南部(熊本、鹿児島、宮崎)編成の精強師団である。

それで、私がベトナムに移住した後、ベトナム人の友人に「ジョータイレン!」と言ったら爆笑された。

そして友人は手を挙げてみせた。

何と、60有余年前に、鹿児島出身の一兵士がフランス植民地軍の安南人に使った言葉が、私の目の前で通じたのである。

あの言葉を教えてくれた方とは二度、お目に掛かって、その後、時候の挨拶もせぬままになってしまった。

そんなこんなで「会えない人の話」という短編からはいろいろ、古山流にいうと「もの思う」ことが多い。
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by tamaikoakihiro | 2011-02-23 07:32 | 雑感 | Comments(0)