大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

「人間の生き方」

20世紀はイデオロギーの時代だった、といった表現にどこかで触れた記憶がある。

共産主義、社会主義、資本主義、自由主義……そんな主義同士がぶつかりあったということを言っていた気がする。

しかし誰もがイデオロギーをふりかざした時代にも、それ以前の話をしっかりと考えた人もいる。

大川周明と関係を持ち、穂積五一の至軒寮にも近かった武田信近のことは、この前書いた。

この人物に対し、中江兆民の子である中江丑吉は、「イデオロギー以前に人間の生き方が大事である」と教えたそうである(『アジア文化会館と穂積五一』より)。

大川周明も、自身の大川塾(東亜経済調査局附属研究所)で、イデオロギーがむき出しになるような政治のはせず、専ら人間としてのあり方を説いた。

「政治に関わってはならない」ともいっていたという。

その姿勢の究極が彼が若者たちに説いた「正直と親切」の重要性なのであった。

戦前・戦中のことを知り始めると、イデオロギーの対立よりも、右といわれたり左といわれたりする人物同士で共通する「問題意識」の存在に気づかされる。

「人間の生き方」もその一つのような気がしている。
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by tamaikoakihiro | 2010-07-06 06:03 | 至軒寮 | Comments(0)