大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

厳しい読み手

書籍の編集を仕事にしていた頃、といっても、そんなに遠い昔のことでなく、ほんの数年前だが、「厳しい読み手」に出会った。

同じ課の先輩なのであった。

取次に出す新刊案内や新刊のカバーに入れる紹介文を書いてチェックのために提出すると、たかが100文字程度だったりするのだが、プリントアウトは真っ赤にされてしまう。

「てにをは」のあたりから直される。それはまだいい。単純なミスだから。

論旨がおかしいと、売り文句になっていないと、いろいろと指摘を受ける。

はっとさせられたり、そんなつもりで書いてはいないと内心不服に感じたりしていた。

「144字で論旨なんか」とすら思ったこともある。

またすでに亡くなった年配の編集長が、その人がかつて先輩からいわれた「○○くん、書籍の紹介文は、ひとつの物語でないといけないよ」という話を教えてくれた。

私はその当時(そして今もだが)軽率なので、あまり深くその類の話を考えなかった。

しかし、それらはすべてありがたい教示なのであった。

一言一句安易に扱うことなく書き、見直すことの大切さは、最近少しわかるようになってきた。

東亜経済調査局附属研究所の卒業生の方々のことを書くとき、「厳しい読み手」を想像して書くことにつながっていれば、と思う。
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by tamaikoakihiro | 2010-06-05 12:16 | 東亜経済調査局附属研究所 | Comments(0)