大東亜戦争と南方物語


by tamaikoakihiro

かつて植民地があった

日本はその昔、台湾と朝鮮を植民地とした。

同じ頃、アジアのほとんどが植民地だった。支配者はヨーロッパ列強である。

大川周明の『復興亜細亜の諸問題』を読むと、時代性というものを痛感する。

日本が膨張したのは、そしてアジアの盟主たらんとしたのは、そうしなければ日本も他の地域に同じく、列強に支配されるという、強烈な恐怖感があったのだろうと、これは多くの人が指摘するところのようだが、私もそのように思う。

「世界はホワイトのものだったんですよ」

大川塾二期生のある方は、私にそう話してくれた。

『復興亜細亜の諸問題』から少し引くと――

「今日のアジアは、ヨーロッパの臣隷である。奴隷に何の問題があり得るか。奴隷に何の理想があり得るか。奴隷は唯だ主人の意志に従い、主人の利益のために動かさるる走屍行肉に過ぎぬ。故に真の意味に於けるアジアの問題は、アジアが自由に得たる時に始まる」

被支配の状況に置かれたアジアを見て、何とか独立を保っている日本の人間として、語るべきことを、大川周明は多く、抱えていたのだろう。

しかし、植民地など、もはや制度としては、存在していない。それを実感として知るには、書物によるしかないところだ。

幸運にも、私は当時を知る人に話を聞けたから、ほんの少し、想像するよすがを得た。

本当に、幸運なことなのである。
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by tamaikoakihiro | 2010-04-29 21:48 | 東亜経済調査局附属研究所 | Comments(0)